÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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モードの迷宮
モードの迷宮
鷲田清一 ちくま文庫

 合わないヒールに足を歪めている女性、毎年夏の前にダイエットを思い立ち挫折している全ての女性は一度読むと、心が軽くなるかも知れない本。纏足・コルセット・ネクタイ・ベルト、昔から私たちの体は服を纏うのではなく、服によって形作られているのだ。
 内容は、ファッションそれぞれの流行の流れを追うものではなく、服飾という『モード』が人間に対していかなる役割を果たしてきたかを説明している。チラリズムって素っ裸よりエロい、ということを学術的に説明してくれたり、普段何気なく着ている衣服を新しい観点で見直してみる視点は面白く、そんなに長くないこともあって一気に読めた。ただ、後半は同じ主題の繰り返しで、読んでいて少し退屈。
 隠すことでより注目を引き寄せる衣服。人体という『自然』を統制するための衣服。『私』という空虚を包み込んで形作る衣服。作為によって変化する客体を、さらに捕らえるために『モード』は常に変わり続けることを余儀なくされる。二つの極の間で揺れ動きながら、変化するというその運動自体が『モード』である。
 著者が哲学専攻の大学教授と言うこともあって、メルロ=ポンティとかロラン・バルトとか名前は聞いたことはあるけれど、なかなか読む機会のない思想家の著作が多く引用されていて、それだけでも読んでいて興味深い。バシュラールの「夢見る権利」などは題名からして気になる。
 贅沢を言えば、男性のファッションや日本の服装について、もう少し言及があると、さらに良かったと思う。同じ筆者による同テーマの本がいくつか出ているみたいなので、その辺りで補足されているのだろうか。あと、本書の中で使用される重要な概念である『私』が、非常に西洋的に捉えられているのも気になった。
 最後に、モードに付与された意味を転倒させ、日常から離れた場で、その落差に快楽を見いだすSMは、非常に洗練された『遊び』なのだと思いました。隠すべき場所を露わにし、徹底的に拘束することで解放し、身体にまで浸透した文化コードを解体することで得られる快楽。確かに「この雌豚!」とか言う代わりに「この雌キリン!」と言っても、笑いにしかならないしなあ。
* 2007/06/04(月) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0 コメント:0

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