÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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紅一点論
紅一点論
斉藤美奈子 ちくま文庫


 アニメ・特撮・伝記と子供の接するメディアでのジェンダーを論じた本。といっても、あの斉藤女史だから、非常に読みやすく仕上げてある。彼女にかかれば、天下の宮崎映画も形無し。あくまでも、表層に現れる記号としてのジェンダーを扱ったものであり、別に作品の思想性などを批判しているわけではないので、宮崎ファンでも読めると思う。
 内容は3部構成。まず、子供用メディアが「男の子の国」と「女の子の国」で住み分け、それぞれどのような女性像が描かれているかが総論として説明される。二部「紅の戦士」では、アニメ・特撮界での女性像の変遷。三部「紅の偉人」では、伝記の中で女性がどのように扱われてきたかを論じる。 
 「男の子の国」でのエヴァンゲリオン、「女の子の国」でのセーラームーン以後、両方の国でかつてのステレオタイプ的女性像は崩れ、古い型を戯画化しながら迷走を始めているという歴史は、「性」という区別が昔より曖昧になってきていることと重なっているのだろうか。
 ナイチンゲールやヘレン・ケラーなど、ある意味元祖闘う女性だった人達が、いかにして理想の女性像として確立していったかなんて件は、なかなか面白い。エネルギッシュで政治力溢れるナイチンゲールは、伝記の表紙しか見たことのない私には思いつきもしなかった。
 素朴なジェンダー意識が形成されるのは、主に低学年の子供の時なのだと思うが、子供用番組(今は仮面ライダーとかプリキュアか?)がかなり無自覚にその意識を形成していると思っていたら、この本を見つけたので納得してしまった。男女好みの別は勿論あると思うが、女の子は恋愛と変身、男の子は戦争とロボット、というあんまりにもステレオタイプそのまんまというのも、どうだろうか。時代と共に少しずつ変わってはいるのだろうが。
 斉藤美奈子の批評がこんなにも的確な気がするのは、ただ「分かりやすく」「面白く」語っているからだけではない。なぜ、このようなジェンダーがはびこったのか、時代の流れと共に、それを受容する消費者はどうだったのかと言うところまで、説明してあるので、納得しやすい。必ずしもその説明が正しいわけではないだろうし、この本を読んでいるとどんな女性を描いても批判されてしまうような気もする。が、このような切り口で痛快に語ってくれることで、文学や文化の見過ごされてきた一面を照らし出す彼女の本は、一読の価値があると思う。

変に固くなってしまたので、次は笑う哲学(?)エッセイスト土屋賢二で行きたいと思います。
* 2005/09/13(火) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0 コメント:0

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