÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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ヴィルヘルム・マイスターの修業時代
ヴィルヘルム・マイスターの修業時代
ゲーテ 岩波文庫

 文豪ゲーテの偉大なる教養小説。
 あらすじ。幼い頃から演劇に親しんできたヴィルヘルムは、恋人に裏切られたことをきっかけに、演劇の世界へと身を投じる。旅芸人の元から引き取った少女ミニヨンと孤独で謎めいた吟遊詩人と共に、ヴィルヘルムはさまざまな青春の困難に出会い、成長していく。
 一言で言えば、『よい小説』 3巻仕立てで結構長いのだが、すらすらと非常に読みやすい。ユリシーズに疲れた頭には、簡潔で無駄のない文章が身に染み込みます。途中で出てくる謎の登場人物や、小道具の配置が巧く話を引っ張っていて、長くてもだれさせない辺りがさすが文豪。内容も、芸術一辺倒ではなく、若く未熟なヴィルヘルムの成長が軸となっていて、その周りを、演劇を中心に恋や商売や宗教が彩っている。若者が陥りがちな誤りが余すところなく書いてあって、教育効果はかなり高いのでは。
 とりあえず中盤でいきなり挿入される『美しき魂の告白』が圧巻。
 次々とヴィルヘルムに関わっていく登場人物、特に女性陣が、魅力的で多彩。情熱的な恋人マリアーネに、無邪気で妖艶な女優フィリーネ、高貴で優雅な人妻の伯爵夫人に、堅実な女性に、男装の女騎士(アマツォーネ)。一番の肝は、少年のような格好をして、ヴィルヘルムを父のように慕う少女ミニヨン。彼女の悲劇的顛末は本当に気の毒(ヴィルヘルムはもう少し反省すべきだ)。そして全体的になんだかギャルゲー風味。
 難を言えば、馴染んだ登場人物が死んだ時に、淡々と別の話をしてたり、あまつさえ結婚を申し込んだりしている場面がいくつかあって、そんな場合じゃないだろうと思う。当時のドイツでは、そんなものだったのだろうか。
 続編の「ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代」も読まなければ。

今回は商人のヴェルナーと主人公ヴィルヘルムの会話から
「他人の愚行から利益を引き出すことほど、理にかなったことはまたとないからね」
「人間を愚行から救ってやる満足の方が崇高だと思うがね」
「ぼくに言わせれば、そいつは、まあ、無駄な骨折りだね。たったひとりの人間を利口にし金持ちにするんだ。容易なことじゃあないよ。しかもその場合、たいてい、その費用は誰か他人がはらうことになるんだ」
結局、物語のはじめのこの言葉が一番正しかった気が。
* 2006/12/19(火) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0 コメント:0

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