÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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ユリシーズⅢ
ユリシーズⅢ
ジェイムズ・ジョイス 集英社文庫

 さらに難解になって、よく分からなくなってきた第3巻。とりあえず、最後まで読み通すのを目標として。
 あらすじ。
『太陽神の牛』
ブルームは近所のミセス・ピュアフォイの見舞いに産婦人科病院に立ち寄る。談話室で、スティーブンを含む青年たちが、猥談を繰り広げている。男子出産の知らせを聞いて若者たちは酒場へと繰り出し、スティーブンを気にかけたブルームはその後を追う。午後10時。
『キルケ』
スティーブンを見失ったブルームは電車にひかれそうになる。幻覚に囚われながら娼家に入ったブルームは、スティーブンと出くわし、よったスティーブンはステッキでシャンデリアを壊す。さらにイギリスの兵隊と喧嘩沙汰になったスティーブンを何とか仲裁し、介抱する。午後12時。

 例のごとくスティーブンとその仲間たちの談話は読んでいてもほとんど理解できませんでした。『太陽神の午後』は、生まれつつある子供と一緒に文体も進化していく構成になっていて、古事記の文体から、源氏物語・平家物語や井原西鶴や滝沢馬琴、さらに明治の夏目漱石や菊池寛、谷崎潤一郎(ちゃんと翻訳前の文体と対応している)の文体、さらに現代の俗語まみれの崩壊した文体までどんどんと変わっていくのが面白いはずなのだが、文体以前にないようがとれなかったので、いまいち楽しめなかった。残念。
 『キルケ』は産む性に対して、産まぬ性であるところの娼婦との話。戯曲形式で、今度は読みやすいのだが、どんどん訳の分からない幻想に取り囲まれていって、読んでいて混乱する。ブルームが突然女になっていたり(しかもマゾ)、死んだ父が猥談を繰り広げたり。それでも、今日一日の今まで起こったことがさりげなく組み込まれていて、ところどころ忍び笑いが洩れる。「罪の甘い歓び」とか。だいぶ夢が醒めてきたところで、最後にスティーブンと重なって、子羊のモチーフと共に姿を現すルーディ(成語10日で死んでしまったブルームの子供)が良かった。

今回の引用。『太陽神の午後』から。石川淳の文体で。
外の空気は、雨露のしめり、天井からの生命のエキスにみちて、星の輝く大空の下、ダブリンの石畳の上に光ってゐる。神の大気、万物の父の大気、輝きながらあたりいちめんにみちる恵み深い大気。それを胸深く吸ひこめ。神かけていふが、シオダーピュアフォイよ、お前はすばらしい勲をたてた、しかもじつに見事に!お前こそはまさしく、この、無駄口の叩きづめみたいな、何でもはいっている、ごたまぜ極まる年代記のなかで、いちばん非凡な先祖様。驚くべきことだ!
全くです。
* 2006/11/18(土) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0 コメント:0

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