÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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魍魎の匣
魍魎の匣
京極夏彦 講談社文庫

(今更ですけど、間接的にせよシリーズのネタバレ含みます)

 今回は、今をときめく京極作品。
 あらすじは、いつもの面々に鳥口始め新しいメンバーが加えられ、少女失踪事件、バラバラ殺人事件などをそれぞれが追っていく内に、やがてある作家の小説の元へと収斂していく。そして、事件の終盤に中善寺は憑き物落としとして、重い腰を上げる。
 京極作品では今のところ、これが一番好きです。まとまっていて読みやすい印象があるし、最後の真犯人(と言うべきか)が月夜の中、屋上で殺される場面は、数あるラストでも幻想的だと思う。勝手に一人で彼岸へと到達してしまった人は、羨ましくもあり、恐ろしくもあり。バラバラ殺人の犯人が、ぐだぐだ悩み、挙げ句の果て箱詰めにまでなったのに結局得られなかったものを、さっさと手に入れてしまうのだから、何と言うべきか。
 中善寺が「憑き物を落とす」だけで、犯人を裁き得ないのは、結局「言葉」を駆使して人を納得させる物語を作るのが、彼の役割だからなのだろうか。裁くということは、何か規範となる「善」を持たねばならない。けれど、ミステリの探偵全般がそれを持たず、ただ謎を解くことのみに集中してきた。それを徹底すると、中善寺にたどりつくのだろう。その意味で、ミステリを超えたと言われる「妖怪シリーズ」は正統ミステリだと思う。
 ちなみに脱出トリックネタとしては、戦前からあるものとのこと。ミステリ界も奥が深いものです。
 次点は「絡新婦の理」。こっちは、因果関係が果てしなく広がっていき、結果が原因を再生産する構造が果てしなくて、面白い。
 京極作品は、医学の匂いがするような気がするのだが、どうなんだろう。「人工妊娠」、「延命医療」、「精神分析」、「暗示」、「洗脳」、「刷り込み」など。色んなジャンルにわたって、示唆的な文章を含むと言ってしまえば、それまでだが。
 長さに諦める人が多そうだけれど、ミステリ仕立ての筋は読みやすいし、映画効果により3巻分冊が最近発行されているので、未読の方は是非。
 ところで多々良先生の出る「今昔続百鬼-雲-」の続編は出ないのだろうか。結構楽しみにして居るんだが。
* 2005/09/13(火) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0 コメント:0

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