÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラ
夢野久作 現代教養文庫

 ミステリ界三大奇書の一つ。読んだら最後、脳髄地獄に呑み込まれ戦慄する、という触れ込みの狂人が書いた狂気の手記。が、意外にすんなり読めてしまった。むしろ、精神病理の溢れる現代だからこそ、至極まともに読めるような気がする。戦前に書かれたものだが、脳科学と遺伝という現代医学の二大骨子に踏み込む作者の先見性には驚く。
 あらすじ。ブーンという時計の音と共に、「わたし」は暗い部屋の中で目覚める。一切の記憶を持たずに、自分が誰だか分からない「わたし」は、精神病棟に入れられている。現れた教授によって外へ連れ出され、記憶を取り戻すために見せられた分厚い書類。その中に書かれているとある教授の遺書と論文。そして、異常心理と変態性欲の起こした奇妙な事件。この文書を読み終えた時に、背後から現れたのは・・・。
 かなり長いが、語りのテンポがよいので割とすらすら読める(と思う)。教授のカタカナ語混じりの軽い口調や、真っ白で素直な「わたし」の独白文、そして何より面白いのが「精神病院はこの世の生地獄」と喝破する唄い文句。チャカポコ、チャカポコ。
 「脳髄は物を考える処に非ず」はなかなか衝撃的文章らしいが、養老さんの本で見慣れた話だからあっさりスルー。「中枢は末端の支配者」ならぬ「末端は中枢の支配者」論。精神病患者を普通人と全く切り離して考えるのではなく、誰にでもある歪みの極端例と考えるところや、その区別の曖昧さ、唯脳論的言説など、昭和初期とは思えないほど先見性にあふれている。精神病者の処遇など、最近は多少改善されてきているとはいえ、やはり当時のままに、問題は解決されていないのだろう。
 一押しは従兄弟にして婚約者にして人形のような絶対美少女、呉モヨ子。初登場台詞から、異彩を放っている。
「・・・・お兄さま。お兄さま。お兄さま、お兄さま、お兄さま、お兄さま、お兄さま。・・・・モウ一度・・・・今のお声を・・・・聞かしてエ―ッ・・・・・・・・」
強烈すぎ。妹属性の方に是非おすすめ。もう少し出番があれば良かったのに。名前が変わっているが、母の八代子や叔母の千世子の名前から察すると、百代子のような漢字が当てはまるのだろうか。
 気楽に付けた考察はこちら。「ドグラ・マグラの堂廻眩暈」(予定)
 次はいよいよ「虚無への供物」の薔薇園へ。
* 2005/10/01(土) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0 コメント:0

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