÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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夢十夜
夢十夜
夏目漱石 ちくま文庫


 奥泉光の「『吾輩は猫である』殺人事件」の中で、重要なモチーフになっているので読んでみた。全部で30頁弱の短い幻想小説の短編集。著作権切れなので、青空文庫の方で気軽に読むことが出来る。(http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/799_14972.html
ちなみに、「吾輩は猫である」の方は、何年か前に半分あたりまで読んで挫折中。
 「こんな夢を見た。」で始まる文章。夢ならではの、どこか恐ろしげで可笑しいような小場面が集められている。脈絡も道理もなく、ただ奇妙に綺麗な情景は、不気味だからこそ美しい。夢だから時間軸も捻れているのだが、変に合理的なのも腑に落ちるような、とにかく何とも言えない雰囲気が漂っている。
 漱石の作品は「こころ」と「坊っちゃん」くらいしか読み通したことはなかったのだが、こういうものも書く人なのかと再発見。時期的には、風刺小説の後の、「三四郎」など三部作を執筆しているときに書き上げたものらしい。(「こころ」などシリアスなものを執筆するのはこの後) 研究家筋でも、転換期の作品として再評価が進んでいるとのこと。とりあえず、文学的価値あれこれを抜きにしても、読んでいるだけで楽しい作品だと思う。
 書評をざっと見たところだと、第一夜が一番人気の様子。「百合の花」の瑞々しさや、巡る太陽、真珠貝、流れ星など幻想的なモチーフがちりばめられていて、「百年待っていて下さい」とい唐突な言葉も美しい。わたしの一押しは、第四夜の爺さんの飄々とした人を食ったような態度。
「今になる、蛇になる、きっとなる、笛が鳴る、」
「深くなる、夜になる、真直になる」


 (参考資料)自分のための、一夜から十夜までの無粋なまとめ。
第一夜 死の床についた女から「百年待っていて下さい」と言われる
第二夜 侍なら悟れと坊主に言われる
第三夜 盲目の子供を背負って森に行く
第四夜 爺さんが手拭いが蛇になると言う
第五夜 生捕りになり、鶏が鳴くまでに女が来るのを待つ
第六夜 運慶が仁王を彫り出すのを見物する
第七夜 西に行く船から海に飛び込む
第八夜 床屋の鏡から往来を眺める
第九夜 母親が父親の無事のために御百度参りをする
第十夜 庄太郎が豚に舐められる
* 2005/09/22(木) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0 コメント:0

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