÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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スタンドバイミー
スタンドバイミー
ロブ・ライナー監督

 少年たちの世界と、大人と、『死』を探しに行く話。
 あらすじ。ガキ大将のクリスと内気なゴーディと無鉄砲なテディと太っちょのバーンは、性格はばらばらだがいつも一緒につるんで遊んでいる。ミドルスクールに行く直前、12の夏休みのある日、ひょんなことからバーンは線路の先に少年の死体があることを聞く。4人は死体を見つけて有名になるために、小旅行に出かける。
 狭くて小さくて無力だからこそ、とても濃密な子供たちの世界が淡々とノスタルジックに描かれている。恋も酒も過度の暴力もないそれはほとんど少年たちだけで完結してしまいそうな感じ。
 とりあえず年相応にバカをやっている4人が可愛らしいので、それで良し。悪態を付き合っていても、テディはバーンの暢気さに、バーンはテディの無茶な勇気に、ゴーディはクリスの頼りがいに、クリスはゴーディの繊細さや想像力に、それぞれ救われるところがあったんだろうと容易に思われるところが切ないです。
 さて、全編にわたって感じられるのが『死』の気配。死体を探すのはもちろんだけれど、テディは汽車に轢かれかけるし、不良青年たちは死んでもおかしくないような自動車レースをするし、主人公のゴーディのまわりには優秀な兄の死がいつでもついてくる。無力な少年たちのまわりには、いつも理不尽な世界がある。
 ゴーディの兄は何の理由もないのに死んでしまい、テディは虐待を受けた精神を病んでしまった父親をあんなにも愛し、クリスは本人がどんなに頑張ってもろくでなしの家の子だと見られてしまう。青年たちもやっぱり無力で、彼らなりのやり方で自分たちを取り囲む理不尽なものに向かい合おうとしている。そんなどうにもできない理不尽なものを象徴しているのが、探しにいく突然事故死してしまった『死体』である。
 ラスト、自分の生い立ちあれこれになんとか負けずに弁護士になったクリスは、結局理不尽な『死』に呑みこまれてしまう。主人公にはもうあの頃と同じ12くらいになる息子たちがいて、もういない友達へのstand by meの哀切な訴えが響いて終わる。
 終盤の死体の取り合いのシーンでそんな理不尽な暴力を振り払うための、すなわち大人になるための第一歩のための一撃が、一発の銃声によるところがなんともいえずアメリカっぽいなあと思いました。

 こうまとめてしまうとアメリカ短編小説的なまとまりの良さが目立つけれど、あの頃の音楽に囲まれて、懐かしい景色や風景のなかで、実物の少年たちがあれこれ動き思い悩んでいる図は贅沢で素敵なので、そういうのが好きな方は是非。
* 2010/01/11(月) # [ 映画感想文 ] トラックバック:0

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