÷0  ジャンル雑多な読書感想文
2017.05 « .1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30» 2017.07
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
* --/--/--(--) # [ スポンサー広告 ]

ウラジミール・ソローキン 国書刊行会

 現代ロシア文学の前衛ウラジミール・ソローキンの短編集。つっこんだら負けです。
 文学の冒険シリーズ『愛のかたち』を読んでいたら、繊細で愛の不在に戸惑うような作品のなかで、ひとりソローキンさんの短編「愛」がぶっ飛ばしすぎで楽しかったので読んでみた。
 結果。これはひどい。
 これほど本を読んでいて、全く油断できない展開が続くとは。穏やかな森の情景での叙情的な会話シーンから、エロ・グロ・ホモ・スカがいきなり脈絡もなく挿入され、文体が壊れ、色々とつっこみたくなる展開に唖然とせざるをえない。特に作者が多用してくるスカトロジーが苦手なので、連続して読むとちょっときついです。
 美しいロシアの森や、和やかな労働賛歌(元ソヴィエトだし)、ちょっとした日常風景という、ありがちだけれど確かな脈絡を持って始まる文章たちが、いきなり徹底的に貶められ、解体され、ぐちゃぐちゃに投げつけられてしまう呆気なさ。
 「小説」(というか文章)に在るべきコードをことごとくぶっ飛ばしながら、本の言葉なんて『インクの染み』にすぎないものが、なぜだかとても愉快に思えてくる危ない一冊。

以下、特に気に入ったものの雑感。
「別れ」
この文章に、貴方はつっこみたくてたまらなくなるでしょう。一応伏線はあります。
「可能性」
確かに可能性は無限だし、本の上で何やってもいいからってこれはないだろ。何でコートを脱がないんだ!
「樫の実峡谷」
『メエエエエエ』ええええええ?
「しごとの話」
やおいではよくあること(ちょっとグロ)
「シーズンのはじまり」「はじめての土曜労働」
言葉の対象を入れ替えただけなので、わりとソフト、か?
「愛」
個人的には、やっぱりこれが一番で。まき散らせ、愛のダークフォース!!
若干5ページのこの文章に、いわゆる『愛情』についての描写は全くないけれど、この作品に表題を付けるとしたら、やっぱり「愛」しかない感じがします。
小説も愛もどこまでも底知れなくて、やっぱり楽しくて良いなあ。
さりげなく前半で語り部が手先が器用ということで、後半のトンデモシーンに出てくるトンデモ機械への伏線が張られているあたりが心憎いです。
* 2009/12/20(日) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0

トラックバック
この記事のトラックバックURL

▼この記事へのトラックバック(あれば表示)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。