÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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読書メモ2
愛の完成
ローベルト・ムージル
『愛の完成』
 偶然でしかないこの愛を完成させるために。
 というわけで、恣意的な産物である夫との愛を、他の男に身を投げ出すという行為を通じて、愛の偶然性・事実生を超えて『合一』に至ろうとする姦通小説。
 緊密な文章が主題のまわりに張り巡らされている。お世辞にも読みやすいとは言えないけれど、2回くらい読むと何となく意味が通るようになってきます。慣れてくれば、明快だけれど飛躍した言葉と文体の緊張感が面白くなってくるかも。訳者も言うように、転倒した結論にあきれるような気分になりながら、真摯な思考の結果至るところがわりと好みでした。
この現実というものがとるにたりぬものに思えた。それはときおりどうでもよく形づくられる瞬間の裂け目から迸しりでてくるものにすぎず、この瞬間の裂け目の下を、人は自身からも隔てられて、けっして現実とならぬものの流れに運ばれていく。その孤独な、世界を遠く離れて心優しく響く声を、誰一人として聞く者はない。愛する不安からたった一人の人間にすがりついていることにほかならぬ、この自分の揺るぎなさが、このとき彼女にとっては、恣意のものに、本質的ではなく、ただ表面的なものに思われた。この孤独を通りぬけて、もはや出来事というもののない究極の内面性に至り、そこで互いのものになるというはかりしれぬ愛のいとなみについての、理性によってはほとんどとらえられぬ予感にくらべれば。


『静かなヴェロニカの誘惑』
よく分かりませんでした。



春の雪
三島由紀夫

 長編『豊饒の海』一巻目。この長編の有名な結末は知っているけれど、読んだことがなかったので。
 あらすじ。松枝侯爵家の息子である松枝清顕は、理性ではなく感情に生きることを決意している。彼が複雑な感情を抱くひとつ年上の幼なじみの聡子と宮家との婚約が決まる。理性的な清顕の親友の本田、武家から華族に成り上がった祖父の後を継いだ父侯爵、シャムから留学してきた王子達、良くも悪くも優雅な綾倉伯爵、聡子との間を取り持つ強かな蓼科、様々な人物に取り巻かれ、織りなされていく清顕の恋愛模様。そして時折描かれる夢の情景。そして導かれるように彼の恋はひとつの悲劇へと向かっていく。
 私が読んだことがある三島作品は金閣寺だけなのだけれど、その切れ味の鋭い文章ではなく、過度なまでに繊細で感傷的な文章がつらつらと繋がっていくので、思っていたものとは少し違う感じがした。終始繊細すぎる主人公に苛々するし、物語の筋としてはありきたりだけれど、嫌みなまでにあぶり出すように描く心理描写と多彩な登場人物達で結構楽しく読めました。
 今回の布石が、次巻以降どう活かされてくるのか楽しみです。たしか夢に導かれて転生するんだったような。
「今、夢を見ていた。又、会うぜ。きっと会う。滝の下で」




奔馬
三島由紀夫

 長編『豊饒の海』二巻目。
 迸る若さ、愚直な一途さ、切腹!と三島由紀夫の萌えが大爆発!!という感じでした。
* 2009/07/20(月) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0

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