÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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ねじの回転
ねじの回転 -FEBRUARY MOMENT
恩田陸 集英社


 今をときめく本屋大賞作家、恩田陸の作品。といっても、今のところこれ一冊しか読んだことがないのだが。恩田陸の著作の中では、異色のものらしい。ジャンルは、2・26事件を題材にした歴史改変SF。
 あらすじ。一度処刑されたはずの安藤大尉・栗原中尉は、無理に歴史を改変したために起こった災厄を避けるため現れた国連職員達によって、時間を巻き戻してもう一度2・26事件を最初からなぞることになった。一度目の「事件」の記憶は持ったままの彼らは、見張られながらも何とかクーデターを成功させられないかと奮闘する。一方、もう一人協力を頼まれた男、石原大佐(満州国建国に奔走した実在の人物)は、これを利用して日米開戦を避けようとするが。
 歴史改変はSFではメジャーだが、その改変の仕方が面白い。歴史を司るマシンが、正統とされる歴史に合わなかった場合、「不一致」として時間を巻き戻し、何度もリセットさせる。おまけに、改変に関わる人物の記憶は全部そのままという酷な設定が、人物描写に重みを加えている。
 教科書を斜め読みしたような知識しかないが、とにかく青年将校の出身地であるこの時代の地方(特に東北)は貧しかったらしい。財閥による寡占が進み、貧富の差は広がり続け、口減らしや娘の身売りが半ば公然と行われ、飢饉により食べるものにも事欠く。世界恐慌やファシズムなど不安定な時期に、日本を変えるためだと理想を愚直に信じて、死の記憶も生々しいまま、辛い2度目の生の中でなんとか2・26事件を成功させようとする青年将校二人が痛々しい。後半は、国連職員に主眼が映ってしまうので、その辺りはちょっと物足りない気がした。
 一番好きな箇所は、
「ね、おかしいでしょう?」
のところ。(図書館で借りただけなので、少し違っているかも知れない) このキャラクターのぐらつきさ加減が、歴史のいい加減さというか、絶対性の否定なのだろう。
 
 ところで、タイムトラベル系SFだと、見知ったような誰かの影が見えたというパターンは、大抵(ネタバレにより省略)だと思った。
* 2005/09/13(火) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0 コメント:0

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