÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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少女革命ウテナ
いまいち読んだ本の感想がまとまらないので、最近見た面白かったアニメの感想
(エンディングなどのネタバレあり)

少女革命ウテナ
 アンチプリンセスストーリー。独特の演出と、象徴的なシーンをちりばめた、構造的にも映像的にも面白い作品。
 あらすじ。幼い頃に助けてくれた王子様に憧れ、王子様になりたいと願うようになった少女・天上ウテナは、「薔薇の花嫁」と呼ばれる少女・姫宮アンシーと出会う。「薔薇の花嫁」をかけて戦い続ける生徒会役員達たちは、ウテナがかつて王子様から貰った指輪と同じ「薔薇の刻印」を持っていた。ウテナもまたこの決闘ゲームに巻き込まれていくが…。

 ウテナとアンシーの関係が、いわゆる『百合』なのかという解釈もあるけれど、個人的にはあまり厳密に考えず、愛情に限りなく近い友情くらい(逆でも可)だと面白いと思う。
 演劇の舞台であるような人工的世界観の演出や、薔薇を中心とした小道具や登場人物のシルエットが上手く使われていて、作画レベルも高く、映像的に非常に美しい。
 そんな非常に少女漫画的世界の中で、生徒会役員たちが過剰で盲目的な「愛」から解放されることによって、救われえるという描写を通して、愛情を絶対善として描かないこの作品は、それだけで少女漫画的プリンセスストーリーの批評と繋がるのが楽しい。(幹と梢や、樹里と枝織や、七実と冬芽など)大人になった王子様は、すでにお姫様を搾取する存在でしかないという結末を迎えている「おとぎ話の続き」がまたリアル。
 めんどくさいことを言わずとも、「あなたは世界を革命するしかないでしょう」というカウンセリングや、もれなく車上アクロバティックショー付きの世界の果て観光ドライブなど、笑えつつも凝りに凝った演出や、非常に個性的なキャラクターたちも楽しめる。
 道化者として扱われている西園寺とか、わがままブラコンお嬢様の七実など、色々問題のあるキャラクターが特に、後半での伸びが大きく、見ていて愉快。短慮な行動であれほど「薔薇の花嫁」を求めていた西園寺がほんとうに欲していたのは、一枚上手の幼馴染みとの永遠の友情だったとか、出てくる登場人物の愛情はみんなひねくれている上に、ほとんど報われないのがまた。ただ盲目的に兄である冬芽に好意を持っていた七実の成長が、コメディに包まれつつも、しっかり描かれているのも見ていて気持ちよい。兄の愛情を横取りしたペットを殺してしまった過去を持つ彼女が、兄に反対されても責任を持って自分の『卵』を保護するエピソードや、過度のブラコンを適切な兄妹関係まで昇華するラストとか。

 絶対に『少年革命』という話はなりたたないんだろうなあ。
 まったく純粋に女性同士で関係を築くことの難しさ、あるいはそれを描くことの難しさを描いた話なのかなあ。それは男女の恋愛に取り込まれてしまったり(男性との関係を介さない女性の友情物語がいったいどれだけあるのだろう)、物語に合わない部分として切り捨てられてしまったり。アンシーとウテナはこの世界で『友情を築く』というたったそれだけのために、世界を革命しなくてはならない。男性(おそらく女性も)の作り上げてきた固定化した物語を少女たちが『革命』しようとするラストは、余韻を含みつつも爽快。
 トランスセクシャルを意識した描写や同性愛をにおわせる描写など性の問題にも色々とフリーダムでよろしい。
 色々めんどくさく書いたけれど、小ネタやコメディも含め見ていて楽しい要素が盛りだくさんなので、未見の方は是非。
 

 映画版は、おそらくTV版とは独立したものと見た方がよいのだろうが(主人公たちの同性愛描写とか)、設定などで共通する部分も多いと思われる。
 生徒会長が幼い頃に両親に売られた先で養父に性的虐待を受けるシーンは、TV版での妹への対応や人間不信に近い態度や暁生との同性愛的演出を考えても、おそらく共通するのではないだろうか。
 映画は尺が短い分だけ、構造的に目指す部分がより明確になっており、ラディカルな展開が面白い。TV版は個々のキャラクターをさらに掘り下げているのとは対照的。
 TV版の補完として、こちらはずっとお姫様役を演じ続けていたアンシーの活躍が格好良い。
 王子様の体をぶち破って、荒野の中で髪を炎のようになびかせながら、二人がすっぱだかで車が走り抜けていくラストシーンは、それまでの過度に人工的な「学校」という舞台からの脱出として美しい。そして高速道路に出てくるお城はどう見ても、舞浜のディズニーランドだし。
 
* 2007/12/02(日) # [ 映画感想文 ] トラックバック:0 コメント:0

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