÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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信じない人のための<宗教>講義
信じない人のための<宗教>講義
菊池良生 講談社新書

 題名は少し大げさだけれど、中身は別に特に宗教を信仰しているわけではない日本人に向けて書いた、分かりやすい宗教解説書。前半は、仏教・イスラム教・仏教など有名宗教をおおざっぱに解説。後半は、宗教自体が社会に対して果たす役割をこれまたおおざっぱに(良い意味で)解説してくれる。
 神社に初詣をして、クリスマスにケーキを食べて、除夜の鐘を突きに行く日本人のために書かれているので、宗教に対して感じるうさんくささとか得体の知れなさとか、わけの分からない神秘性とか、日本人には理解できない部分も、この本を読めばそんなに恐れ忌避するものではないのかとも思える。とにかく日常の感覚に基づき、かなり砕けた口調で書いてあるので、あまり肩肘張らずに読めるのがよい。宗教に対するノリも、何か軽いのが読んでいて面白いし。梵我一如をこれだけ分かりやすく面白く解説している文章は始めてみました。
 著者は宗教学者ではなく、宗教学を専攻した翻訳者。というわけで、普通の宗教解説書とは少し違った視点が取られており、宗教そのものの解説というよりも、人々や社会の中でどのような役割を期待されてきたのか、という点が特に解説されている。中身は非常に簡潔で分かりやすくまとめられており、多少物足りなさを感じる部分もあるが、全体的には満足。特に、後半の部分はこれだけ率直で、シンプルにまとめられている初心者用の本はあまり見かけないので、非常に嬉しい。
 「宗教」という言葉自体が果たす、東洋の信仰を西洋的枠組みでとらえる見方。社会儀礼と宗教儀礼は、きれいに分けられるものなのか。俗世的功利主義では救済できない者のための、宗教的功利主義。現代の問題を解決するために、宗教に期待される過大な役割。
 現代社会で大きな問題になっているにもかかわらず、なんだかよく分からない宗教問題。俗世的には上手く解決できない問題まで、この分野に押しつけられて、上手く解決できないうちに大変なことになってしまったり、色々あるみたいだけれど、とりあえず日常に即して分かるところから少し考えてみると、面白いかもしれないという本。
* 2007/11/01(木) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0 コメント:0

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