÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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文章教室
文章教室
金井美恵子 河出文庫

 全くありがちな二編の不倫小説が出来上がるまでを書いた小説。こう書くと全然面白くなさそうだけど、すごく面白いです。全編通していわゆる『恋愛小説』のメタメタな感じで、頭がいい女の人が書いたんだなあと思わせる徹底した批判的な悪意が心地良いです。
 あらすじ。
 小説というのはもちろん本当のことなどではなくて作者の主観というフィルターを通してつづられる文章なのだということが、これでもかというほど突き付けられます。で、世の中に溢れかえるそのフィルターがあきれるほど陳腐でしかなく、だから凡百の恋愛小説がどうしようもなく陳腐であることも。
 ゆえに文章の技巧のレベルがどんなに違おうとも、この『文章教室』という小説の中で主婦と小説家が書き上げた小説は書かれる動機もその顛末まで、あきれるほどそっくりなのでした。
 いかにもカルチャーセンターに通っている主婦が書きそうな文章の引用による本文が、どれほどのフィクションと手垢のついた言い回しにまみれているかが楽しめれば勝ち。
 そしてこの小説がどこまでも気詰まりなのは、登場人物の間でひとつもまともなコミュニケーションが成立していないからなんだと思います。事後のベッドで見つかる鶏にいかにも象徴されているシーンのように。
 『目白四部作』の第一作ということで、残り3作もそのうち読む。
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* 2010/04/11(日) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0 コメント:0
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