÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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少女漫画日和
春なのでつらつらと読んだ少女漫画の話でも。

・「君に届け 
 話題なので読んでみました。
 ヒロインのいやみのないキャラクター造形の勝利。登場人物のバランスも良し。
 ストーリーとしては王道通りですが、人付き合いに不慣れな主人公の成長という筋がシンプルでぶれないので、読みやすいです。逆に10巻以上長続きすると危険な予感。
(もう10巻出てるし。案の定先がない展開なだけに人気作はつらい)
 相手役の男子も普通に健気で可愛らしい。

・桑田乃梨子作品
ひみつの犬神くん
 気弱で少女漫画のような思考回路を持つ狼男の犬神と、彼がバイオレンスな世界に引き込まれるのを期待している親友の歪谷と、犬神の片想いの相手の池田さんと、犬神をやたらといじめると美月えりかと、好青年で恋のライバルの田中の5人が繰り広げるほのぼの学園コメディ。
 超常的な力が特に役にも立たず、日常の世界でなんだかざわざわと楽しいのが良いなあ。そして私は、そんな日常がほんのりと色を変える『金色の句読点』がベストで。
おそろしくて言えない
 持ち前の天才的霊感で何でも請け負う御堂維太郎が、絶対幽霊なんか信じないと広言する霊感体質の新名皐月に、霊的いやがらせを繰り返す日常(と身近な超常事件)を描いたオカルティックコメディ。
 17歳のおそろしくうさんくさい霊感少年の御堂維太郎と5歳児の葉月ちゃんの組み合わせが、ものすごくツボでびっくりです。誰も理解したり思いやってくれるはずもない、楽しくないわけではないけれどすこし苦しいそんな世界で、何も疑わずに無償に手がさしのべられるならば、惚れちゃわないはずないじゃない。しかしとんでもない年齢差だ。でもマジです。
 この流れで、ほとんどこの世界でただ一人彼を理解しうる霊感体質を持った新名君が、執拗に幽霊がらみのトラブルが周囲に起きてもぜったい幽霊なんか信じないと断言していたり、普通に生きてたらちょっと死んじゃったり、幽霊になっても会うことが出来なかったり、日常生活は楽しいけれどちょっとさみしさが漂うところにこの作者の雰囲気が出てるのかなあと思います。
 上記作品もこの作品も、日常風景にとけ込みつつどこか『普通』からはぐれてしまったひとたちが主人公の話なのだけれど、奇跡的に同じはぐれものと出会えて強くて新しい世界が開けたり、奇跡的に求めうる全ての肯定と救いをくれる女の子がいたり、なんだかそんなありえないようでとても幸せな関係がとてもよくて、だから少女漫画って素敵なのだなあと私はいつも思います。

・岡田あーみん作品
ルナティック雑伎団
 作品にみなぎる勢いがはんぱじゃない!少女漫画特有の鬱屈やステレオタイプを哄笑してなぎ倒して糧にして突っ走れ!
 主人公の相手役の母親のゆり子さんと旦那さんの関係が、非常に少女漫画的(というかそのなれの果て)で好みすぎます。相手に対する卑屈と傲慢の間でほとんど狂気のごとく感情が揺れ動くゆりこママと、そんな彼女の全てを泰然と許してしまうパパの関係を、少女漫画と呼ばず何と呼ぼう。まさに繊細で恋に揺れ動く女の子と、そんな女の子を包み込む男性の究極型。
 この二人への思い入れは置いても、爆走するキャラクター達の猛烈なギャグとか、どこか少女漫画という枠組みに自覚的かつ批評的なところとか、私の好みに非常に合っていて大変楽しく読めた一作。
 とりあえずルイ君はすごいよ。お前こそ誰に恥じることのない学園のアイドルだ!

・大島弓子作品
 70年代ということでちょっと古い作家に分類されるんだろうけど、これはすごい!ものすごい!
 妥協なき探求と行動による少女漫画の本懐、とも言うべき作品群にただただ脱帽。
 ふわふわした繊細な絵と、感性を凝縮した言葉たちと、それとは裏腹の少女漫画の核を抉って掴み出すような力強い意思が大変に魅力的。
 一押しは「バナナブレッドのプディング
 『少女』にとって恋愛とはなんぞや?
 たったひとりの相手を見つけて恋をして結婚するとはいったいどういうことなのか?
 少女であるということ、少女であれということ、そして少女でいられないということ、いつだってあらゆる少女に否応なしに突きつけられ続けるこれらの問いに、主人公がひたすら逃げずに答えを探していく姿勢が、とにかく潔い。この世界でそれを探し続けることはほとんど異常の域に達することで、だからこそみんな途中で諦めたり、用意されている答えで満足したり、誰かに全てを任せてしまうけれど、この少女だけは最後まで諦めずに自分で行動し続けるのがすごい。
 『愛』という狂気で救われるラストは絶望的なまでに幸せいっぱいです。
 あと「綿の国星」は親しみやすくて読みやすくて可愛いです。猫可愛い。

○おまけに少年漫画
・「さよなら絶望先生
 ものすごく今さらですが。
 可符香がすごく素敵すぎる。聡明で底知れない不思議少女はツボど真ん中なのです(ハリポタのルナとか)。
 彼女から与えられるまがい物の希望と、先生の見せかけの絶望という枠組みで、先生と可符香が作り上げる共同幻想のなかで楽しそうに騒いでいる二人の関係がものすごく不毛で、非常に好みな感じです。(あのカオスな獄・さよなら絶望先生のOPはこの関係性を良く表していると思う)
 もし先生が彼女に惹かれるのなら、それは彼女が本当の絶望を持っているからなんだと勝手に思います。
※というかもう、『番外地』のOPが出てる!ロックな可符香が可愛い。どこか甘さの残るコンタクトへの希望をえがいたテレビ版をあざ笑うかのようなデチューニングがすごいなあ。指が繋がったり抱き留めるという相互交流的な形ではなく、ミサイル投下など理解できない異物との衝突という形でのコンタクト。そしてみんなの合い言葉により実現する、現実世界へのイメージの氾濫による彼女のパラダイス。
 でも、結構出張っているわりに、可符香の影が薄いのが個人的には残念。最後のあの電車は、彼女そのものなんですかね。
 こっそり参照
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* 2010/03/27(土) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0 コメント:0
つらつらビートルズ映画
例のごとく気力がないため不定期更新ですが、気の向いた時に気の向いたものを書けたら。
というわけで、今回はビートルズ映画2本です。
話題のリマスター盤も出たことですし。ブリティッシュなシュール感がスタイリッシュ!

Help!
リチャード・レスター監督
 映画2作目。アメリカに凱旋して世界的アイドルになった彼らを巻き込む騒動について。
 あらすじ。バハマ国の生贄の儀式に必要な指輪がなぜかリンゴの指に収まっていた。儀式を執り行うために、神官達は生贄としてリンゴをつけねらう。謎の美女が助けてくれたり、指輪の秘められたエネルギーを狙う科学者に追われたりで、ビートルズのメンバーはアメリカへと渡るのだが。
 全編ひたすらゆるくてシュール。でもなぜか楽しい。野原での「Ticket to ride」ライブは、風景の切り取り方とけだるさがマッチしていて、非常に好みな感じでした。
 映画1作目でどこまでも走り出していけそうな彼らがたどりついたのがここなのかと思うと、ちょっと物悲しいです。指輪を取り巻くほとんどナンセンスな大騒ぎはおそらく現実のビートルズの周りの騒動の暗喩でもあるのだろうけれど、ラストみたいに指輪なんか適当に放りだして楽しく騒いでいれたら、また違ったビートルズが見られたのかなあと以降の経緯を知る一視聴者として思いました。
 まとめ。変人博士と駄目助手のコンビが非常にキュート。


A Hard Day's Night
リチャード・レスター監督
 映画1作目。初期ビートルズの歌のイメージや勢いをそのまま映画にしたような感じで、すごく楽しい。リンゴ可愛い。非常に好みで良かったです。邦題はかの水野御大が付けられた「ビートルズがやって来る、ヤァ!ヤァ!ヤァ!」
 あらすじ。冒頭、ファンの女の子達に追いかけられ、辛くも列車に乗り込んで逃げることの出来たメンバー達。列車にはなぜかポールの祖父がいて、わがままな彼のお守りをするはめに。なんやかんやでライブをしたり、ふざけ合ったりしているうちに、リンゴが突然いなくなってしまう。
 生意気なガキどもという立ち位置。アイドルという虚像。メンバー内のコンプレックス。そんな彼らを取り巻く環境が、さりげなくユーモアと共に投影され、ちょっとした解決をみるまで。
 シンプルな歌詞とシニカルな態度の下にあるさらりとしたセンチメンタルさが、そのまま映画になってます。大人から、業界から、ファンから、常識から、ありとあらゆるものから、走って逃げて飛んでいってアメリカまでGO!
 ラストの長尺のライブ映像は、有名なエド・サリバンショーから。
 とりあえず、このオープニング映像が素敵。
* 2010/03/14(日) # [ 映画感想文 ] トラックバック:0
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