÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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セーラームーンSSに寄せる異種恋礼賛
たまに「異種間恋愛」などのキーワードで訪れてくれる同志のためのひとり語り。



今現在、少年漫画としての異種恋ベストは「遊戯王」の社長と青眼ですが、少女漫画としての最高峰は「セーラームーンSS」のペガサスとちびうさ(アニメver.)なのですよ。

 少女漫画のコンテクストで私が異種恋のやって欲しいこと全てを、非常に幻想的な演出と美しい絵柄で叶えてくれる、まさに正典。
 私が異種恋コンビを好きになるのは『異種族に惚れてしまうなんていうとんでもないことを「愛」とかいう不条理な力で当然のごとく成し遂げてしまう』というパターンが多いのですが、パターンど真ん中。ついでにその動物っぽさとか、メカっぽさとかが活かされている描写があるとなおいいです。
 最初から飛ばしているのも素敵。ちびうさが不思議な夢のなかで見た美しいペガサス(普通に馬です)に一目惚れするのがはじまりなのですが、目を潤ませて手を伸ばしているところなんか無駄な色気が全開で、最初からスタッフは飛ばしすぎです。そんなかんじで、なぜか戦いを助けてくれる正体不明のペガサスと、健気にペガサスを信じて戦うちびうさが一応話の軸です。
 で、大事なところは、ちびうさがペガサスの正体を知る前からペガサスのことが大好きだってことなんですよ。馬相手にときめいちゃったりするわけですよ。キスシーンを決意するのもペガサスのときなんですよ。(未遂ですが)正体が美少年だと知っても、やっぱり馬と一緒にいちゃいちゃしてるんですよ。素敵すぎる。
 おでこくっつけたり、一緒に空中散歩したり、というお約束なシーンは全て完備ですし、外見は少女とペガサスのピュアな純愛ですが、危険なまでの一途さと妙な背徳感がかもすエロティックさ(スタッフは自覚的に演出してると見た)とのちぐはぐな印象も良し。ペガサスが時折いなないたり、その他馬っぽい仕草を残しているのもポイント高いです。
 ペガサスの正体は儚げな美少年であるエリオス(外見年齢14歳くらい)ですが、それでも外見10歳弱のちびうさと並ぶと犯罪っぽく見えるので、これまたよい感じ。しかしこいつらの実年齢は1000歳以上と900歳です。
ついでにエリオスは薄幸の美少年に見えますが、ちびうさの着替えシーンの際に、ペガサスが息を荒くしながら幼女の着替えをちろちろと見ていたことをわたしは忘れない。
 一応最後は異種恋のお約束通り『別離』という形を取っていますが、こいつらの寿命を考えれば900年後にそのままの姿で仲良く再会ということで、わたしの脳内では無問題。人型でも馬型でも仲良くいちゃいちゃしてる設定。2代目EDのラストは再会のシーンだと勝手に思ってます。

漫 画版の方では、ちびうさは正体不明のペガサスを少々うさんくさく思っていたところ、正体が美少年だと知ってから惚れる流れです。美少女が美少年に恋するなんて、この世界では自明の理なので減点です。(でも、未来からやって来た年上っぽいレディセレニティに憧れて、幼女のちびうさを頑張って助ける流れはちょっと美味しい)

 一つのアニメ作品としてみれば、単調でマンネリが漂う作品ですが、異種恋度はピカイチ。加えてセル画アニメの一つの到達点とも言える安定した可愛らしい絵と、諸処に漂う変態感が素敵です。

 アニメと言えば、『勇者警察ジェイデッカー』のせいあさんとマクレーン(ロボット)もわたしのツボなんですが(17話の「邪神インティ」はテーマとかエロさとか素晴らしすぎる)、アニメスタッフに同志がいるとしか思えない。
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* 2009/07/20(月) # [ 企画 ] トラックバック:0
読書メモ2
愛の完成
ローベルト・ムージル
『愛の完成』
 偶然でしかないこの愛を完成させるために。
 というわけで、恣意的な産物である夫との愛を、他の男に身を投げ出すという行為を通じて、愛の偶然性・事実生を超えて『合一』に至ろうとする姦通小説。
 緊密な文章が主題のまわりに張り巡らされている。お世辞にも読みやすいとは言えないけれど、2回くらい読むと何となく意味が通るようになってきます。慣れてくれば、明快だけれど飛躍した言葉と文体の緊張感が面白くなってくるかも。訳者も言うように、転倒した結論にあきれるような気分になりながら、真摯な思考の結果至るところがわりと好みでした。
この現実というものがとるにたりぬものに思えた。それはときおりどうでもよく形づくられる瞬間の裂け目から迸しりでてくるものにすぎず、この瞬間の裂け目の下を、人は自身からも隔てられて、けっして現実とならぬものの流れに運ばれていく。その孤独な、世界を遠く離れて心優しく響く声を、誰一人として聞く者はない。愛する不安からたった一人の人間にすがりついていることにほかならぬ、この自分の揺るぎなさが、このとき彼女にとっては、恣意のものに、本質的ではなく、ただ表面的なものに思われた。この孤独を通りぬけて、もはや出来事というもののない究極の内面性に至り、そこで互いのものになるというはかりしれぬ愛のいとなみについての、理性によってはほとんどとらえられぬ予感にくらべれば。


『静かなヴェロニカの誘惑』
よく分かりませんでした。



春の雪
三島由紀夫

 長編『豊饒の海』一巻目。この長編の有名な結末は知っているけれど、読んだことがなかったので。
 あらすじ。松枝侯爵家の息子である松枝清顕は、理性ではなく感情に生きることを決意している。彼が複雑な感情を抱くひとつ年上の幼なじみの聡子と宮家との婚約が決まる。理性的な清顕の親友の本田、武家から華族に成り上がった祖父の後を継いだ父侯爵、シャムから留学してきた王子達、良くも悪くも優雅な綾倉伯爵、聡子との間を取り持つ強かな蓼科、様々な人物に取り巻かれ、織りなされていく清顕の恋愛模様。そして時折描かれる夢の情景。そして導かれるように彼の恋はひとつの悲劇へと向かっていく。
 私が読んだことがある三島作品は金閣寺だけなのだけれど、その切れ味の鋭い文章ではなく、過度なまでに繊細で感傷的な文章がつらつらと繋がっていくので、思っていたものとは少し違う感じがした。終始繊細すぎる主人公に苛々するし、物語の筋としてはありきたりだけれど、嫌みなまでにあぶり出すように描く心理描写と多彩な登場人物達で結構楽しく読めました。
 今回の布石が、次巻以降どう活かされてくるのか楽しみです。たしか夢に導かれて転生するんだったような。
「今、夢を見ていた。又、会うぜ。きっと会う。滝の下で」




奔馬
三島由紀夫

 長編『豊饒の海』二巻目。
 迸る若さ、愚直な一途さ、切腹!と三島由紀夫の萌えが大爆発!!という感じでした。
* 2009/07/20(月) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0
読書メモ1
日本文化における時間と空間
加藤周一

 なんとなく加藤周一の著作が読みたくなったので。とりあえず今までのまとめ「日本文化=今・ここ文化」
 日本文学史序説では文学の通史をたどって行くことでその基盤を明らかにしようとの試みだったけれど、今回は日本文化の特徴そのものを論じる流れ。未来への確固たる展望や過去への判断評価を持つことなく、たった今現在という瞬間に集中すること。全てを含むこの瞬間を表すために、洗練を重ねる表現様式。文学だけでなく美術や芸能など含み、日本文化を捉えるひとつの視点として面白かった。
 加藤周一の著作は、日本文学と西洋文学などと較べて感じる違和感を、豊富な知識の裏付けのもと、さらっとわかりやすく語ってくれるところが素敵でよいなあ。西洋をみならうべきとか日本文化こそ至高とか、余計な価値判断を含まないのも読みやすいし。気候風土と歴史の積み重ねの違いによる思考形式の違いと、文化の表現様式の違いについてぼんやり考えたくなる感じの本でした。


街並みの美学
芦原義信

 西洋や日本やアラブなど、各国の美しいと言われる建築群を「街並み」という視点からどう美しいのか探っていく本。20年くらい前の本なので、若干今とは合わないところもあるけれど、これを読んで街並みを見てみると何となく楽しい気分になれる。
 道路の幅と建物の高さの比率、地と図としての両者の混ざり具合、そして建物の輪郭線。町を歩いていてなんとなく感じるその街の美しさを、一つ一つの要素に分解してわかりやすく解説してくれる。
 ところで、前の本からの繋がりで日本建築も西洋建築に較べて「今・ここ主義」が強いため、街並みが計画的に構築されないという作者の愚痴のあと、改善案が示されているのだけれど、そのプランが西洋の見本をそのまま日本に適用したものなので、はたしてその街並みが日本人にとって心地よい街並みなのかなあ、と少し疑問に思った。
 この後に『東京の空間人類学』を読んだら、結構対照的で面白かった。やっぱり西洋の街並みをそのまま日本に移したって、面白くは良くならんよね。アジア的喧噪!

 あと、本書でもかなりページを割いている、現代建築を語る上でどうしてもはずせないことになっているル・コルビュジェについて。この人がデザインした建物は未来人が住む建築のようで、素人目にも均整のとれたデザインといい、時代の枠を超えた不思議な魅力があるなあ。合理的というコンセプトのもと設計されているらしいけれど、実際は住みにくいらしい。現代ではなく未来になったら住みやすくなるのかも知れない。
* 2009/07/19(日) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0
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