÷0  ジャンル雑多な読書感想文
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ミステリ・オペラ
ミステリ・オペラ
山田正紀 ハヤカワ文庫

構想3年、原稿用紙2000枚の著者渾身の本格ミステリ。濃いめの表紙が示すとおり、なかなか詰まった内容になっている。
 あらすじ。ビルの屋上から、萩原規子の夫・祐介が、意味深な遺書を残して飛び降り自殺をする。その死を受け入れられない規子は、家の古文書(日中戦争時の満州を書いた、二つの「宿命城殺人事件」と良一なる人物の「手記」)を読み進めていくうちに、夫の生きている「平行世界」の存在を確信するようになる。甲骨文字による殺人事件の予言、消えた古代人の骨、浮遊する人体、謎の検閲図書-黙忌一郎(もだしきいちろう)、50年の時を経て二つの時代の謎が交錯する果てに、明らかになる真実とは。
 検閲図書館、満州事変、オペラ「魔笛」、二重密室、探偵小説など魅力的な小道具勢揃いなのだが、いまいち期待していた程けれんが少なくて、まともな感じに仕上がっていたので肩すかしな感じがした。検閲図書館のキャラクターが意外に薄かったのが原因だろうか。もっとも、キャラクター小説ではないので、そんなものかも知れない。
 登場人物にいまいち共感できなくて、淡々と読んでしまった。誇大妄想癖を持った佐和が一番受け入れやすかったかも知れない。小心者の古谷も意外に良かった。
 「魔笛」が聞いてみたくなる一冊だった。
(以下ネタバレあり)

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* 2006/01/20(金) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0 コメント:0
失われた時を求めて7
「失われた時を求めて7」
ソドムとゴモラⅠ
マルセル・プルースト 集英社


 いよいよ後半に入ってきました。広がるソドムとゴモラの世界の描写にのったりしつつ、のんびり読み進める予定。
 あらすじ。語り手は、ゲルマント侯爵夫人の家の前で、シュリュリャス男爵とデュピャンがソドムの世界の住人であることを知る。ゲルマント大公夫人の夜会に参加した後、語り手は母親と共にバルベックへと向かう。母親は、死んだ祖母へとだんだん似てくる。そこで、語り手は靴に触れた途端、亡くなった祖母のことをありありと思い出す。語り手はアルベルチーヌに心惹かれるが、ダンスホールでのアンドレとの踊りを見てこぼしたコタール医師の一言が、語り手にアルベルチーヌがゴモラの女ではないかとの疑惑を抱かせる。
 最初のクマバチとラン(だったと思う)をつかっての、ソドムの世界のたとえ話は何となく可笑しくて笑えてしまった。巻を進めるごとに、複線がどんどんと入り組んでいくので、これからが楽しみ。
 バルベックのホテルでの、心の間歇と題される章で、語り手が無意識的記憶から祖母のことを切実に思いだすシーンが印象的だった。近くに書いてある不思議な夢も意味深。(注によると、家族への罪悪感とのこと)
 エレベーターボーイのリフトが、当地では有名なカンブルメール侯爵夫人を「カマンベール侯爵夫人」と読んで疑わないところが一押し。名前に対しての思い入れの違いが伺える。
* 2006/01/18(水) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0 コメント:0
エロ事師たち
エロ事師たち
野坂昭如 新潮文庫


 本書の内容上、結構下品な内容です。苦手な方は、ご注意を。

 「火垂るの墓」で有名な野坂昭如の代表作。性の斡旋者「エロ事師」たちの面白うてやがて哀しい物語。大阪弁の語り口が、どうにもこうにも胡散臭くて感じが出る。
 ところでこの表紙だとアダルトビデオのなり損ないみたいで微妙なのだけれど、1970年発行の文庫版の表紙はコケットリーな感じで格好いい。
 あらすじ。「スブやん」は仲間の伴的やゴキと一緒に、処女(偽)の斡旋やらエロビデオの作成までなんでもやる「エロ事師」。 お客のニーズに応えるため、奮闘続ける彼らの物語。
 普段なら目を背けるような、どうしようもなく下世話で低俗な内容であるにもかかわらず、どこかしみじみとしているという感じがします。弄される多くのアイロニーのせいだろうか。幻想である死んでしまった母親を想い続けて書くエロ作家のカキヤとか、ダッチワイフにしか欲情しない不能の二枚目カボーとか、どこか捻れてしまった欲求の形がありありと描かれているかと思うと、表は紳士面して欲望ぎんぎんのサラリーマンがこれでもかと要求を出してくる。そんな性欲にまみれた世界の住人でも、義理の娘の処女を心配したり、流産した胎児を敬礼して川に葬る場面があったりして、ギャップにしんみり来る。
 一方で、男五人で並んで較べあっている場面とか、女子校の校庭をながめて処女膜が何枚で何億円の大もうけだと勘定している場面とか、くだらなくて笑うしかない。
 最後に、果たすべき役目がなくなってはじめて、ようやくその姿を誇る「それ」の存在が何とも言えず空しくて淋しい。パーティーの終わった後の、気の抜けた虚脱感が漂うのも、「エロ事師」の最期としてはふさわしいのかなと。
 虚飾の世界だ、嘘っぱちだとはよく目にするけれど、パソコンでのコラージュやらAVやらインターネット動画が出てきてどんなに業界が変わっていこうとも、変わることのできないありのままの欲望が力一杯描写されていて、とにかく一読を勧めます。
 
ちょっと面白かったところから引用。

女を教育し男の求めるイメージのままにふるまわせ夢を与えるといっても、これはもう古いのとちゃうか。(中略)いくら男の考える理想的な女をつくり上げても、いや、男が理想的なんちゅうイメージをえがくこと自体、もうくたびれとるんや。
で、最後に乱交パーティーをプロデュースし終わって、
冴えかかった月と唯一人相対するうち、やがて、しみじめと毛穴にまで満足感がしみ渡り、もうインポも餓鬼もどうでもええような風流な気分で、昔、早稲田の講義録で読んだ芭蕉を思いだし

というシーンが一番しみじみとして好きです。
* 2006/01/16(月) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0 コメント:0
春琴抄
春琴抄
谷崎潤一郎 新潮文庫

 日本文学を読もうと唐突に思い立って、読んでみた。100ページとちょっとの短めの作品。文章が綺麗。
 あらすじ。「わたし」は、墓参りの途中で見つけた少し変わった墓にお参りする。その墓は、琴のお師匠さんであった春琴と、彼女に使えている佐助のものであった。気になった「わたし」は、佐助の書いた文章を手に入れる。
佐助は春琴が幼少の頃から、彼女に仕えていた。9歳の時に失明した彼女は、琴が巧く、顔立ちも良かったが、とても高慢だった。佐助と春琴は事実上の夫婦であったが、師匠とその付き人して暮らしていた。そんなある日、何物かが春琴の顔に熱湯をかけて。
 最近春琴のツンデレぶりが取りざたされているが、この話の肝はやっぱり佐助の盲目的愛情だろう。押入を締め切って暗闇の中で盲人になったつもりで三味線を練習するシーンとか、何歳も年下の少女にしかられても全く口答えをしないところとか。春琴自身に対しても、最後には目を閉ざしてしまうのがすごい。春琴に盲目になったことを告げるところで、二人の立場の転換点となっているのが何とも巧い。佐助自身も、あのときのことが一番心に残ったと言っていることだし。
 最後にどこかのお坊さんが悟りが何とかという一文が付いているが、悟りなどの高尚なこととはあんまり関係なく、ひたすら脳内の春琴を愛でているだけのような気がする。
 裏のあらすじには、「二人に起こった悲劇」と言ったことが書いてあるけれど、結局はかなり二人とも幸せなんだと思う。周りにはどう思えようとも。

 とりあえず、「痴人の愛」のナオミより断然春琴派。
* 2006/01/13(金) # [ 読書感想文 ] トラックバック:0 コメント:0
たまには漫画感想文
基本的に完結作品のみ。終わりよければ全てよし。

□少年漫画

るろうに剣心
紹介する必要もないくらい、有名な漫画。ざっとあらすじは、過去は最強の人斬りであったが、今はさすらう緋村剣心が、剣術同情の神谷薫やその他の仲間達と出会って、闘ったり、過去を乗り越えていく物語。何やら色々と思い出深い作品。ジャンプで連載していた割には、テーマに対して真摯に向かい合っている気がする。とは言っても、京都編の方がエンターテイメントとしては面白くできているけど。あと、絵が丁寧だし。最近の漫画は、全体的に小綺麗になっている気はするけれど。愛憎絡む11巻が永遠のバイブル。


魔法陣グルグル
自分にとってのギャグマンガの原点。あらすじは、伝説の魔法陣グルグルを使える生き残りの少女ククリとなぜか「勇者」のニケが、魔王ギリを倒すために仲間達と旅を繰り広げるおかしな冒険譚。キタキタオヤジは有名ですね。10巻辺りまではすり切れるくらい読んだ。ガンガンなんてマイナー雑誌だから、年に1冊か2冊しか出ないし。途中で絵柄が何度も大幅に変わるし。とにかく、この前何とか完結して良かった。破れかぶれで終わってるんだけど、なぜだか笑える最終巻。


うる星やつら
といっても、最後の5巻ぐらいしか実際には読んでなかったり。さすがにあらすじは省略。渚と竜之介とか、因幡君としのぶとか、珍妙なコンビが好きです。まあ、登場人物全員がどこかおかしいわけですが。
あとは、蘊蓄溢れるアニメのメガネがよい。スターウォーズの物まねは噴飯物。さすが世界の押尾監督。
ところで「犬夜叉」はいったいいつまで続けるつもりなのか。

□少女漫画

ぼくの地球を守って
自殺者まで出た有名なファンタジー。前世について語る過去編と、その前世が絡む現世編が交錯しながら進んでいく。最終巻の、植物に包まれている髑髏のコマが、今までの流れを包含していて秀逸。少女漫画には珍しく壮大なファンタジー仕立て。最後のお約束のような「その後」も、実は結構好き。





ディアマイン
ショタコンじゃないのに、気づくと、二つとも年下ものだ。なぜだ。それは置いといて、あらすじ。主人公で高校生の咲十子は、借金の形に母親が勝手に決めていた婚約者の家に居候することになる。しかし、その相手は若干10歳にして大財閥の社長を務める社長だった。さて、二人の仲はどうなるのか、というところ。この人の作品は表情が巧い。ちょっと古い絵柄だけれど、読み進めていくうちに全然気にならなくなると言うか、むしろ味が出て来るというか。話はベタなんだけど、丁寧で読ませますね。
同じ作者の「てるてる少年」も良い作品だと思います。(てるてるって何だ?) 4巻完結だから、あっさりと読みやすい。少女漫画って、主題が主題だから、長いとだれやすいんでしょうね、やっぱり。
* 2006/01/05(木) # [ 企画 ] トラックバック:0 コメント:0
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